近藤晃弘氏
会長がクラシックギターの製作家でおられることは、かなり昔から認識しておりました。アコースティックギターを製作されていることを知ったのは2013年頃でした。千葉工房と自分の実家がすぐ近くにあったこともあり、伺わせていただいた際に初めて会長が製作されたアコースティックギターを弾かせていただきました。その時に驚いたのは、1:音のバランス、2:音の出方、3:コード感とピッチの正確さ、その何れもがとびきり素晴らしかったことです。そして何よりも感じたのは、どのギターメーカー、どの製作家のギターの音にも当てはまることのない、唯一無二。完全に独自のサウンドを確立しているということでした。以来、多くのモデルの音を確認させていただく中、ある共通点に気がつきました。沖田ギターは、ボディサイズや材料構成に関係なく、上記の1から3を完全に満たし、共有していることです。一般的なアコースティックギターの定義には当てはまることのない、沖田ギターの常識を持ち合わすということでした。それを解明するべく、会長に製作についての色々な事を伺ってきました。その中で、一般的なアコースティックギターには用いられていない工法でネックジョイントが行われている事を知りました。一般的なアコースティックギターメーカー、製作家が採用しているネックジョイント方法は”ダブテイル”と呼ばれる工法です。クラシックギター製作の世界では「ドイツ式」と呼ばれています。沖田ギターの採用する工法は「スペイン式」で非常に高度な技術と経験が必要なジョイント方法です。詳しくは文字数が足りなくなります関係でご説明できませんが、沖田ギターサウンドの重要な鍵を握るファクターです。そして、常識とは逆行しトップの厚みを3.7㎜から4.0㎜、サイドとバックの厚みも有名アコースティックメーカーの標準の厚みに+1㎜加えた厚みの材を使用して組み上げているということも非常に特徴的であり、他では真似のできない製作方法とコンセプトです。そして、40年以上多くのアコースティッ